日本刀の鞘のリペア
2週間の戦い
鞘が割れた
俺は居合道をやっていて、真剣を所持している。もちろん許可証もある。
真剣を使用していて一番ダメージがいくのは鞘。上手な人なら鞘を削ってしまうことなんてないのだろうけれど、まだまだ初級者な俺には無理。
壊れたなら専門店で直せばいい。でも金がかかりすぎる。なら自分でやろう。の根性。
手順1 鮫革の加工
鞘の補修に一番使われるのは鮫革だ。鮫、といってもこれはエイ。スティングレー。こいつの加工が実に手ごわい。なにせ革の表面についている粒が糞ほど硬い。ハサミなんて使おうものなら一発で刃こぼれする。
まずは水につけて革を軟化させ、板に張り付ける。ここから使う分だけ切り取る。切り取り方はルーターで削り取る方法。
ちなみにスティングレーは浅草で買える。1枚7000円くらいだった。
ちょっと詳しい人なら知っていると思うけど、スティングレーの中で一番価値がある部位はココ↓
粒の大きさが明らかに他と違う。1枚につき1箇所しか取れない高級部位。
ここは今回使いません。もったいないんで。
手順2 鞘の加工
切り取った鮫革はそのまま貼ると鞘が厚くなってしまい美しくない。ので、鞘を革の厚み分削る。
その後、革の貼り付け。
大昔は米で接着していたけど、手間と乾燥の手間を考えて普通の接着剤を使用。
張り合わせで一番気を遣うのは革の継ぎ目。先生に教わったのは「まず大きめに切って、継ぎ目は後から調整すること」
手順3 漆を塗る
接着後、漆を塗る。
実際のところ、漆を塗る前にちょっと革の粒を削ったほうがいい、とか聞くけどどうなんだろう。
とりあえず塗る。本物の漆は乾燥の手間が大変なので合成漆を使用する。
薄く塗り重ねていく。厚く塗るのはご法度。ここは時間をかける。4回くらい塗った。
手順4 研ぎ
ここから漆をやすりで研いでいく。
使用したのは金属性のやすりと紙やすり。
紙やすりはここら辺を使った。
ここで問題が発生する。
革の分だけ鞘を削ったはずだが、それが足らず若干革が浮いている。
仕方がないのでもう一枚革を貼って調整。
でもまあ、次は鞘を削りすぎたんだよね。削った分だけ漆塗ればいいか。の理論で開き直る。
手順5 失敗のごまかし
追加で革を貼る前、鞘と革の段差をごまかそうとして革を必要以上に削った結果、削りすぎてしまった。
ちょっと白くなったので、さらに調整。漆を塗ってごまかす。
完成
仕上げはコンパウンド磨き。
ここまで2週間。毎日仕事から帰ってきて、漆塗ったり研いだり。なんとか完成した。
正直言って雑。これで飯食ってる人に失礼。でも、将来こんなことして飯食いたいから頑張る。
全体像
まとめ
継続は力なり。今年中に鮫革をふんだんに使った鞘を作る。これはまだ序章。