「酔いどれ詩人になる前に」という映画をご存知だろうか?
わりとマイナーな部類に入るんじゃないのかな。
俺は高校生くらいに、なにかの広告でこの作品を知ってDVDで見た。
原題はFactotum(雑用係)
主人公のチナスキーは日雇いの仕事や短期の仕事でなんとか生活している。でも酔っぱらって仕事したり、禁煙の職場でタバコ吸ったりしてすぐクビになる。
家もなく、実家からも勘当され、日雇いの職場紹介所でジジイと酒を飲んで追い出される。
作家を自称するチナスキーは毎週3〜4本の短編(自伝的小説だ)を出版社に送り続ける。
そして彼女が出来たら1日4回セックスをする。
酒と女とタバコ。グロスで撫で付けた髪に無精髭。
この映画には食事シーンがあまりにも少ない。どこのシーンでもタバコを吸っているか、酒を飲んでいる。(もしくはセックス)
ラストはもう何度目か分からない失業後に、チナスキーがストリップショーを見ているシーンでの内なる独白で幕を閉じる。
もし何かにトライするなら徹底的にやれ
でなきゃやるな
恋人や妻を失うかもしれない
親戚や定職やー
3.4日飯にありつけないこともある
公園のベンチで凍え留置所にブチ込まれることも
また 冷笑されー
徒労や孤独も味わうだろう
だが孤独は贈り物だ
他は忍耐力のテストだ
いかに本気かが試される
それらを超えー
拒絶や確率の低さをものともせずー
やり遂げた時の素晴らしさは格別だ
もし何かにトライするなら徹底的にやれ
最高の気分に浸れる
世界は自分と神々だけになり
夜は火と燃える
最後に笑うために障害を突き破れ
それだけが価値ある戦いだ
久しぶりに見たこの映画は、高校生の時に見たよりも25歳になる今の方がよっぽど響いた。